読売新聞 「気流」掲載

読売新聞 「気流」掲載

大人の風疹予防 国が助成を

風疹が流行している。
私の医院がある東京都渋谷区は、19~49歳で妊娠を予定または希望している女性と、
妊娠している女性の19歳以上の夫を対象に、予防接種費用の一部を助成している。
しかし、同様の助成を行っている自治体は少数のようだ。

風疹の感染拡大は、国の政策に原因があると思う。
学校での予防接種は、1977~94年は女子中学生だけが対象だった。この時期に予防接種を受ける機会のなかった男性が感染し、発症するケースが多いようだ。

万が一、妊婦にうつって胎児が感染すると、難聴や心疾患など障害を持って生まれてくる可能性がある。
感染拡大を防ぐため、20~40歳代の男性全員にワクチンを接種する必要があるのではないか。
費用の助成は自治体任せにせず、国が責任を持つべきだ。

小児科医 諏訪美智子 65(東京都港区)